トマスの疑い深い資産運用

アラフォー日本人男性兼業投資家。日々勉強中です。

経済

「平和が大切だから戦争反対」というのは「幸福が望ましいから不幸を禁止する」ようなもの

 「不幸を禁止する」というのは、昔上の記事で見かけてからずっと気に入っている表現である。

 俗に「ジンバブエ的」とも呼ばれるような、ある種の典型的な誤りを表現するのに適切な標語だと思われる。

  • 平和が望ましいから戦争を禁止する
  • 正規雇用が望ましいから派遣を禁止する
  • 好況が望ましいから不況を禁止する
  • 物価が安いのが望ましいから高値で売るのを禁止する

 これらに共通するのは、その望ましくない何らかの状態が、誰かの悪意によって意図的に起こされることなのか、誰の意志にもよらずとも起こってしまうことなのか、を間違えていることだ。

 そう考えると、例のリストはさらに下に伸ばすことができる。

  • 健康が望ましいから病気を禁止する
  • 豊作が望ましいから害虫を禁止する

 ここまで来ると、現代人の目には明らかに馬鹿馬鹿しいが、数百年前までは、どちらも実際に行われていたことだ。

 数百年後にはリストの全てが明らかに馬鹿馬鹿しいと思える時代になっているだろうか。

ウィリアム・バーンスタイン『「豊かさ」の誕生―成長と発展の文明史』★★★

 過去書評。サウジで王族が拘束されて財産ぶんどられたみたいなニュースを見て思い出した。

 現代人が知っているような意味での「経済成長」が可能になるためには、

  • 私有財産制
  • 科学的合理主義
  • 資本市場へのアクセス
  • 輸送通信手段

 の4条件が確立しないといけないのだという話。

 サウジの話は、最初の条件に関係する。権力で好き勝手に財産を奪われたりする社会では、財産が役に立たないどころか、逆に危険を招いてしまうことすらあるということ。

片岡剛士『円のゆくえを問いなおす: 実証的・歴史的にみた日本経済』★★★

 過去書評。良かったと思う。

キャス・R・サンスティーン『スターウォーズによると世界は』★★

 キャス・サンスティーンの、普段からは信じられないようなフリーダムなお遊び。

 どちらかというと経済よりスターウォーズの方がメイン。スターウォーズシリーズが好きか、そんなに好きでなくとも、少なくともシリーズ通して一度は観ているぐらいでないと薦められない。

不便によるセキュリティ

 投票が電子化されない理由としてよく言われることなのだが、不便≒高コストは、それ自体が一種のセキュリティとして働く側面がある。

 国政選挙の投票がネットできるようになったとして、通信が傍受されて改竄されていないことを、サーバーがクラックされて結果の数字が変更されていないかを、どうやって確認できるだろう。

 確認できたとして、負けた候補とその支持者をどうやって納得させられるだろう。容易ではないことは明らかだ。

 選挙の度に大勢の人が動き、何億・何百億という費用がかかるのは無駄に思えるが、クラックするのにそれ以上の費用をかけなければならない物理的システムなのだと考えれば、少なくとも馬鹿げていると一蹴できないことはわかるだろう。

 もちろんコインチェック特大GOX事件に関連して思い出したことだ。秘密鍵の漏洩自体は別の問題としても、数百億円が一瞬で電子的に送信できる便利さは、それが一瞬で盗まれる危険と表裏一体である。

竹中正治『なぜ人は市場に踊らされるのか?』★★★★

 過去書評。竹中正治先生の他の本と違い、経済一般に話題が広い。しかし、投資にも有用と思われる部分も多い。

『貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える』★★★★★

 アビジット・V・バナジー著、エステル・デュフロ著。過去書評。どちらかというと啓蒙書で投資の役には立たないかもしれないが、非常に面白い。

 上手くいかない政策を見抜いたり、自分や子供が貧困の罠に陥らないようにするためとか(?)具体的に役立つケースもあるかもしれないし。

ジム・ロジャーズ『冒険投資家 ジム・ロジャーズ世界大発見』★★★★

 過去書評。ポジトに節操がなさすぎる上、ところどころで人でなしが透けて見えるので、個人的にあまり好きでないジム・ロジャーズ。本も何冊か読んだがどれも今ひとつ。

 だが、これだけは結構面白かった。ポジショントークや乱暴な極論であることは同じなので全部真に受けてはダメなのだが、それはそれと割り引いて読んでも十分ためになるし面白い。

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