トマスの疑い深い資産運用

アラフォー日本人男性兼業投資家。日々勉強中です。

流動性

ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』48 素早く資金を移動できるだろうか?

48 素早く資金を移動できるだろうか?

 投資資金は脱兎のようなものだと言われてきた――危険を察知するや否や、すっ飛んで逃げてゆく! あなたは煙を見たら火事になる前に逃げられるように、注意深く自分の資金を見守っている自信があるだろうか。

 難しいのは、単に脱兎のように逃げればいいのではなく、他の脱兎よりも早く逃げないと意味がない、ということでしょう。

 うまく逃げるためには変化に敏感であるだけでなく、常に行動に移すための準備を整えておかなければならない。

 とりあえず、常に情報感度を高めておくこと、流動性に注意することと、迷ったら逃げる方を選ぶこと、など基本的なことを地道にやっておくしかないでしょう。それでも最後はおそらく運。

 時代に合わない業種、二流の経営陣、一時的な高成長や利益によって付いた高すぎる株価――これらはあなたの投資実績を損なう3人の死神と言えるのだ。

 今は、実在すらしない業種(「人工知能銘柄」とか……)、最初から上場ゴール狙いの経営陣、一時的な高成長や利益すらないのに付いた高すぎる株価、みたいな、それ以前のものも沢山見る気がします。もちろん当時もあったんでしょうが。

ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』25 常に流動性を保ったアカウント

25 常に流動性を保ったアカウント

 投資を管理する哲学に、「常に流動性を保ったアカウント」というだけで簡単に説明のつくものがある。

 「常に流動性を保った口座」「偽りの安心感」の反対を一言で表すものと考えればいいと思います。

 通常まったく投資されていない。つまり、現金かそれとほぼ同じ状態に置かれている。

 チャンスがないのに無理に投資するぐらいなら、現金で寝かせておいた方がましだ、という話は前にもありましたね。

 アカウントを真に流動的にしておくには、あらかじめ決められた割合に達した評価額すベてに、頭の中で、または実際にストップロスをかけなくてはならない。

 通常の投資用語の「流動性」とは違いますが、無関係ではありません。流動性のない銘柄を買ってしまったら、簡単に損切りもできず、意識的でなくても結果的に塩漬けになってしまうことがありえます。自分も経験済みです。

 この投資哲学は、分散投資よりひとつの銘柄に集中することを促す。というのは、主な原則のひとつが、自分がしていることをよく理解し、正しいという信念を持つことだからだ。銘柄や投資のタイプで分散することは、ヘッジ――過ちを平均化したり、判断力の欠如を隠す方法――でしかない。

 分散より集中。

 この方法は、買い乗せを行いやすい。つまり、利益をフォローアップし、損失が出る前に撤退する方向だ。このようなアカウントは、きちんと管理されれば、曲がりはしても折れはしない。「ナンピン買い」は無論、この理論に完全に反している。

 ナンピンより損切り、買い乗せ。このあたりは既出の論点の繰り返しですが、この本ではこれらも「常に流動性を保った口座」の概念に含まれるということか。

 当然ながら、資本の総額、マーケットの厚み、アカウントの持ち主の税率区分区分の間には、関連がなくてはならない。

 税率区分に関しては、現代日本でも、法人・個人、総合課税・分離課税等、考えなければいけない場合も多少はありそうですが、ここではやりません。

 資本の総額・マーケットの厚みは、普通の意味での「流動性」を確保するために重要なことです。私も昔は「流動性コストなんて個人には無関係だろ」みたいに考えていましたが、全然そんなことはありませんでした。閑散銘柄だと、1000万円ぐらいでも、重くのしかかります。

 もしマーケットが期待どおり上昇すれば、同じ株をより多く買う。もしマーケットに厚みがなくニュースに左右されるようなら、とりあえず何もせずにいる。特定の銘柄の最初のポジションについていえば、その後の取引のスケールは次第に縮小していく。もし株が下落しても、損失は少ない。もしも上がれば、より多く買えばいい。理論上は小さな資金で成功すれば次第に大きな利益になるので、その資本の大部分が一見何も生まないように思えても、アカウントには十分な収益がある。そして、損をした場合にも再挑戦するのに十分な蓄えが残るのだ。

 ピラミッディング。

 この理論によれば、すべての状況が確実と告げているにもかかわらず、相場が下落してしまう投資案件を保有し続けるような事態を避けられる。常に流動性を保った方法では、小さな下落のあとは、ほかの事実に関係なく決済しなければならない。相場の下落という事実そのものが、その場の決め手となるのだ。何カ月もたって何ポイントも下げてから、「自分の名義に換えてしまいこむ」型の買い手は、下落の本当の原因をあとから知ることになる。

 価格変動それ自体が知らせになる。塩漬け禁止。

 もちろん、ときには株は一時的な理由で下がり、それから本当の上昇を開始する。常に流動性を保ったアカウントには、高値でも低値でも買い戻しをしてはならないというルールはない。実際、当初の買い値よりも高い値や最初の決済額での買い戻しは、私の経験では、通常の買いよりも多くの利益を生む傾向がある。この理由は、マーケットが一般に弱まると考えられているのに反発するとき、あらためて強さに気づき、それに従うことをためらわない人々には、とびっきりの買いチャンスを示唆しているのだ。
 ただし常に流動的なアカウントの場合は、損を認めてすでに手仕舞いしているポジションのほうが望ましい。なぜなら、投資家は正当な状況が再び訪れるのでなければ、同じ株に手を出さないからだ。凍結して、ただ祈っているような状態ではない。やがては上昇トレンドが再びやってきて、別の銘柄がずっと魅力的になるかもしれない。このことは非常に重要である。

 掌返し上等。これらの論点も既出の繰り返しですね。総集編回みたいなものと思えばよいか?

ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』1 知識、経験、そして直観

1 知識、経験、そして直観

 ウォール街で継続して、フェアに儲けることほど難しいものはない、と私は心の底から思う。そして、これほど体得が難しいこともない。

 「継続して、フェアに」というのがミソ。どっちかあるいは両方欠けているのならば、それほど難しくないというか、よく見ますね。この本ではウォール街という単語が頻出しますが「株式市場」と同義と思ってよいです。

 素人はこの分野に足を踏み込むと、てっとり早い儲け話や高収入、または安全な避難場所に走る。たいがいそれにも、ほかの活動ほど注意を払わずに、誰から情報を得るかとか、誰を通して取引を行うかといった極めて基本的なことについても軽率なことが多い。偶然の産物と、知識によって得られた結果の区別もつかない。自分の判断で何かを買うのではなく、そうとは知らずに売りつけられ、狡猾な商売の犠牲になってしまうこともあるのだ。

 今で言えば、銀行に言われるままに毎月分配型ファンドを買ってしまうお年寄りとか、煽り屋にはめ込まれるイナゴとか、のことですかね。

 利益を享受できるのは、経験から生まれる知識のおかげであり、損をするのは知識が欠けているからである。知識とは情報であり、かつその意味を解釈する能力のことである。それに加えて、マーケットで金を稼ぐには「天賦の才」や「直観」も必要になってくる。もとからの素質がなければ、どんなに研究や実践経験を積もうとも、資産を積み上げていくことなどできない。

 「天賦の才」とか「直感」に関しては、言いたいこともいくらかありますが、今ここでやるのは無理です。普段その言葉で言い表されている何かかが存在することは否定しません。

 理科系の学生は、学校で圧力やひずみに関する法則を学ぶ。人生においても、これらの法則は変わることなく適用できる。たしかに、ひとつの問題には複数の解があるかもしれない。ある者はそれをほかの者よりも早く、あるいはより巧みに解くだろう。しかし、確かな原則によって導かれた解答は、常に有効なのである。

 人生や経済といったことにも科学の法則に近い原則はあるということ。

 証券の価値には、決定的な解答というものは存在しない。12人のエキスパートがいれば、12通りの違う答えを出すだろう。状況は常に変化するので、考え直すチャンスがあれば、数分後にその判定をくつがえすことさえある。バランスシートと損益計算書で決まる時価評価額は、価値のほんの一部分にすぎない。大部分は、人間の希望と恐れに委ねられているのである。欲、野望、神の御業、発明、財政的圧力とひずみ、天候、発見、ファッションその他、挙げたらきりのない無数の要因に……。

 直前の部分とあからさまに矛盾するようにも見えますが、そうではありません。普遍的な原理原則が存在するということと、個別の問題に厳密な答えが出せるということは、同じではないのです。

 ある瞬間の株価でさえ、のちの時価評価額を左右する潜在的影響力となる。安値が株主を脅かして売りを出させ、買い手を寄せつけず、あるいはバーゲン買いを引きつけるかもしれない。高値も同じように、相場にさまざまな効果をもたらす。

 特に短期トレーディングの場合は、数分どころか数秒後でも、前言を翻してテノヒラクルーできるような人の方が向いていると言われています。おそらく本当にそうでしょう。(少なくとも人間が予言できるという意味での)決まった未来など存在しないからです。

 確実に儲かる投資を保証できる会社や個人がいるだろうか?(中略)一歩進み出て名乗りを上げる者はいるだろう。しかし、永久運動の場合がそうであるように、何かがいつも欠けているのだ。
 そしてこれは、自分の専門分野では成功からほど遠い「庶民」が、自分なら簡単に解けると思うような問題なのだ。ブローカーの事務所で数分過ごし、証券会社の営業マンの訪問を受け、「投資相談サービス」にいくらか払っただけで、すぐに何かを買ってしまったり、誰かに売りつけられたりする。もし 最初の取引で 「利益」を上げたなら、自分を賢いと思うか、ウォール街などわけないと考えてしまうだろう。
 当然ながら、彼はさらに多くを求める。そして、もし損をしても、あまりに一瞬のことだったので、同じようにすぐに取り戻せると思うだろう。そういう者の多くは自分のブローカー、ディーラー、またはアドバイザーについて何ひとつ知らない。彼らがその仕事を何年続けているのか。彼らのバランスシートはどうなっているのか。これまでの業績は? たとえ少しぐらい知っていたにせよ、自分の金を失う方法なら千の数ほどあるにもかかわらず、せいぜいその上っ面しか見ることができないのだ。
 ウォール街で成功することほど難しいことはない。にもかかわらず、これら不勉強な人々は何ら対策を講じるわけでもなく、またこれほど簡単なことはないと思っているのだ。

 銀行の販売員の給料がどこから出ているかよく考えて分配型ファンドを買っている人、煽り屋の生活費がどこから出ているか知っていてイナゴしている人、いますかね? たぶん多くはないと思います。(後者はわかってやってる人もいるかも……。)

 ウォール街の長所は、連続的な価格形成と、十分な流動性を持った選り抜きの証券である。「庶民」でも安心して低価格で売買ができ、頻繁に評価変えがなされ、流動性が高く、(中略)詐欺行為からも保護される。そんな市場は、例えば不動産など、ほかの形の投資にはない。

 詐欺の部分は、あまり意識されませんが重要なことでしょう。詐欺的なIPOとか上場企業による粉飾決算というものはあっても「証券会社で上場株式を買ったと思ったら詐欺でした」ということは、まずありえないと思います。

 私の第一のルールは、毎日取引がなされ、毎日オークションマーケットで売買できるものを買うことだ。トレーディングの出来高が増し、マーケットが拡大するほど、その証券は公正価格に近いことが多い。
 また、自分が儲けているのか、損をしているのかを知ることも重要なことだ。利益を上げたり、損失を抑えることができることも大切だ。素早く、少ないコストで資金を動かす能力こそ、この世界で最大の防御である。

(中略)

 素早く売ることができない証券を避ければ、素人には大きすぎる危険をいくつも防ぐことになるのだ。

 逆に言えば、自分で目利きや値付けをする必要があったり、取引コスト(手数料)が高すぎたり、流動性がなかったり、という投資は上級者向けということでしょう。私は、この意味では一生初心者でもいいと思っています。

 人生のあらゆることと同じだ。ひと握りの人間だけが富を築く。どんな分野でも、ひと握りの人だけが真に有能なプロとなり、本物の成功を収めるのだ。大多数の人は、些末なことから何から日常の仕事をこなしつつ、理想とは遠い日々の暮らしを送っているのである。
 より良い生活のために行う努力は われわれ一人ひとりにかかっており、投資にもほかのすべてのことと同じように当てはまる。自分がいかに不完全かを知ること、これがウォール街でどれほど成功できるかを測る真のものさしである。
 大切なのは、危険の度合いを知ることだ。「愚者はことを急ぐ」――ウォール街ではそれは致命的なのである。
 この世の中に、ウォール街ほど本物の知識が直接、また確実に金銭的報酬につながる事業はほかにない。

 身が引き締まる記述です。あまり共通点はないはずなのですが、なぜか家康公遺訓が思い出されます。

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