トマスの疑い深い資産運用

アラフォー日本人男性兼業投資家。日々勉強中です。

政治

エマニュエル・トッド『帝国以後 〔アメリカ・システムの崩壊〕』★★

 『文明の接近』が面白かったので、これも読んでみた。

 面白いところもなくはないが、アメリカsageヨーロッパageの典型的なフランスインテリ的バイアスがかかりすぎのように思え、いまいち。

 中国やロシアに関する楽観的な予測は、現時点ですでに外れていると言わざるを得ないし。ちなみに2002年の本。

エマニュエル・トッド『シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧』★★★

 シャルリー・エブド襲撃事件への過剰反応は、フランス的ライシテの流れとは連続しておらず、少数派差別の自己欺瞞的正当化が過ぎる、という趣旨。

 当たり前だが暴力肯定というわけではなく、公共の場でのスカーフ禁止などは、男女平等の立場からはっきり正当化すべきと考えている模様。

 日本人視点からすると当たり前のようにも思えるが、著者の分析も意見もおおむね首肯できる。

レームダックの概念は株にも応用できそうだ

 習近平の任期廃止や自民党総裁の3選可否に関連して思ったことだが、レームダックの概念は株価にも応用できるのではないか。

 「政治家の任期」は特殊であり、単に「ある一定の権力を振るい続ける期間」ではない。「今現在の権力」自体が、「あとどれぐらい権力を振るい続ける(と予想される)か?」、によって決まる部分があるからだ。

 もうすぐ権力を失うと決まっているならば、そんな奴の言うことに従う意味はなく、今現在の権力自体が失われる。レームダックという概念が意味しているのは大雑把に言えばそういうことだ。

 これは互いに将来を予測して行動する主体であればこそ生じる、あらかじめプログラムされた権限に従って動くだけのロボットであれば、こうはならない。

 株価にもそういう側面がある。「今現在の株価」は単にファンダから決まる一定の価値ではない。「あとどれぐらい上がる/下がる(と予想される)か?」によって決まる部分も大きい。

 もう上がる余地がないのが誰の目にも明らかなのであれば、誰も買わないので現在の株価自体が下がる。もう下がる余地がないのが誰の目にも明らかなのであれば、誰も売らないので現在の株価自体が上がる。

 まあ予想・期待が株価に織り込まれている、と言えば当たり前のことではあるが。

 ……そんなことを考えて調べていたら、レームダックは元々株(株価ではないが)に関係する用語だったらしい。意外。

『文明の接近 〔「イスラームvs西洋」の虚構〕』★★★★

 エマニュエル・トッド著、ユセフ・クルバージュ著。何かで知った。

 識字は力。識字の親が子を非識字にすることはなく、社会全体の識字率は一方通行。親が非識字で子が識字という時期には権威の不安定化で移行期危機が起こる。

 これらは人類学的に普遍的なプロセスで、イスラムはなんら特殊とは言えない。

 ……というあたりが大意。

グレアム・アリソン『米中戦争前夜――新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ』★★

 興味深く重要な話ではあるんだけど、どこの誰でも言えそうなことしか言ってない気がして、いまいち。

ウィリアム・バーンスタイン『「豊かさ」の誕生―成長と発展の文明史』★★★

 過去書評。サウジで王族が拘束されて財産ぶんどられたみたいなニュースを見て思い出した。

 現代人が知っているような意味での「経済成長」が可能になるためには、

  • 私有財産制
  • 科学的合理主義
  • 資本市場へのアクセス
  • 輸送通信手段

 の4条件が確立しないといけないのだという話。

 サウジの話は、最初の条件に関係する。権力で好き勝手に財産を奪われたりする社会では、財産が役に立たないどころか、逆に危険を招いてしまうことすらあるということ。

烏賀陽弘道『フェイクニュースの見分け方』★★★

 まあ当たり前のことと言えば当たり前のことばかりだが、いい新書だと思う。

『セイヴィング キャピタリズム』★★★

 ラグラム・ラジャン著、ルイジ・ジンガレス著。過去書評。金融の重要性についての本。改めてどうこういう話はないが、いい。

 それにしても、もうちょっとましな邦題はなかったのか。原題"Saving Capitalism from the Capitalists"(『資本主義を資本主義者(資本家)から救う』)で、直訳すると共産主義っぽいイメージになるのを嫌ったのかと推測されるが。

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