イスラム

書評

ダグラス・マレー『西洋の自死: 移民・アイデンティティ・イスラム』★★★

あまり期待していなかったが思ったより面白かった。意見として賛成できることばかりではないが、ヨーロッパの右派の主張は日本からはどちらかというと見えにくいので特に。  個人的にはこれも「近過去から現在までのトレンドをそのまま未来に外挿してしまう...
書評

エマニュエル・トッド『シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧』★★★

シャルリー・エブド襲撃事件への過剰反応は、フランス的ライシテの流れとは連続しておらず、少数派差別の自己欺瞞的正当化が過ぎる、という趣旨。  当たり前だが暴力肯定というわけではなく、公共の場でのスカーフ禁止などは、男女平等の立場からはっきり正...
書評

『文明の接近 〔「イスラームvs西洋」の虚構〕』★★★★

エマニュエル・トッド著、ユセフ・クルバージュ著。何かで知った。  識字は力。識字の親が子を非識字にすることはなく、社会全体の識字率は一方通行。親が非識字で子が識字という時期には権威の不安定化で移行期危機が起こる。  これらは人類学的に普遍的...