トマスの疑い深い資産運用

30代半ばの日本人男性兼業投資家。日々勉強中です。

★★★★★

ウィリアム パウンドストーン『囚人のジレンマ―フォン・ノイマンとゲームの理論』★★★★★

 北朝鮮危機関連でなんとなく思い出したので過去書評。原著が1992年となんと25年も前の本だが、今ざっと見直しても古いことによる問題は特にない。

 フォン・ノイマンの伝記としても、ゲーム理論とその意義に関する入門としても非常に面白い。おすすめ。直接的にではないが投資にも有用かもしれない。

ウォルター・ミシェル『マシュマロ・テスト 成功する子、しない子』★★★★★

 なんかもう日常語レベルになっていて、知ってるつもりになっているマシュマロテストだが、改めて読んでみると面白い。

 教育の話としても、自制能力全般の話としても、投資の話としても(?)非常に有用。おすすめ。

森岡毅『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』★★★★★

 『確率思考の戦略論』の中で出てきたので読んだ。

 宣伝の一環として、最初からベストセラーにしようと狙って書いたとか。確かに抜群に面白い。

 実は今まで一度もUSJに行ったことがないのだが、一度行きたくなってきた。

司馬遼太郎『関ヶ原』★★★★★

 司馬遼太郎は結構読んでいるはずだが、この『関ヶ原』と『項羽と劉邦』が好き。この話では「悪役」の家康が好き。印象に残っているところを3箇所抜粋。

 島左近と石田三成の会話。投資では「徳」なんて言葉あまり聞かんけど。

「古来、英雄とは、智弁勇の三徳備わったる者をいうと申しまするが、殿はその意味では、当代太閤をのぞけば、家康とならぶ英傑です」
 ――しかし。
 と、左近はいう。
「智弁勇だけでは、世を動かせませぬな。時には、世間がそっぽをむいてしまう。そっぽをむくだけでなく、激しく攻撃してくるかもしれませぬな。真に大事をなすには、もう一徳が必要です」
「つまり?」
「幼児にさえ好き慕われる、という徳でござるな」

 家康の秀吉・三成評。「株の儲けは我慢料」と言いますな。

「かの秀吉という仁は、筑前守と申したむかしから智恵がよくまわり、瞬時も手足をやすめず、さまざまな手を打つのにいそがしい仁であったが、しかしここは一番待たねばならぬとなると、大地が腐るまで我慢をするという気根があったな。三成にはそれがない」

 家康のギャンブル観。勝つべくして勝つということ。

「ばくちは勝つためにうつ。勝つためには、知恵のかぎりをつくしていかさまを考えることだ。あらゆる細工をほどこし、最後に賽をなげるときにはわが思う目ががかならず出る、というところまで行ってから、はじめてなげる。それが、わしのばくちだ。(中略)まことのばくちうちというものは、運などにはたよっておらぬ。わが智恵にたよっている。(中略)このばくちは、百や千の小銭を賭けているのではない。わしの生涯、わしの地位、領国、そしてわし自身を賭けている、負ければなにもかも無くなる。あだやおろそかにはこの勝負を考えておらぬ」

デビッド・アロンソン『テクニカル分析の迷信――行動ファイナンスと統計学を活用した科学的アプローチ』★★★★★

 yäsü(@yasuFX)氏のブログで知ってkindleunlimitedでタダ読み。

 すごくよい本だと思う。特に最初の3章が「投資のための科学(的方法論)入門」として完璧に近い。

 それ以降の統計やテクニカル分析そのものは、システムトレードでもしようというのでなければ、個人で使う機会はまずないだろう。私もたぶん一生使わない。でも、最初の3章しか読まないとしても十分な価値あり。

 自分のバックグラウンドが自然科学系でよかったと思うのは、まさにこの本で注意されているような罠を、すべて丸ごとパスできているということだ。仮に試行錯誤の経験だけで突破しようとしたら何十年、あるいは一生を棒に振りかねない罠だ。

スティーヴン・プレスフィールド『やりとげる力』★★★★★

 ヒトラーにとっては、真っ白なキャンバスに向かうよりも、第二次世界大戦を始める方が簡単だったのだ。

 原題"the War of Art: Break Through the Blocks and Win Your Inner Creative Battles"(芸術の戦争:障害を突破し、あなたの内なる創造的戦いに勝て)。

 必ずしも芸術に限定された本ではないので、邦題は的外れではないものの、どこにでもある自己啓発本のようにしか見えず、あまり特色を伝えられていない。

 なんとも不思議な印象の本。すごい本なのは間違いない。一言で表現すれば『読むエナジードリンク』だろうか?

 たとえるなら、マルチ商法のすごい巧みな演説を聴いて、詐欺とわかりきっているのに本当にすごい商品のように思えてきて感心するような読書感。(実際にそういう経験があるわけではないが。)

 宗教的・オカルト的というわけではないが、かといって全く科学的・論理的ではない。どこがおかしいのかまで自分でわかる人があえて利用するなら大歓迎だが、誰かれ構わず薦めるのはためらわれる感じ。

 たとえるなら、この本は精神にぶち込むガソリンであって地図やハンドルとして使ってはならない。

ジョセフ・ヒース『資本主義が嫌いな人のための経済学』★★★★★

資本主義が嫌いな人のための経済学

 啓蒙書で投資の役にはたぶん立たないけど、久しぶりに滅茶苦茶面白かった。ミクロ・マクロ経済学の最低限の知識はあった方がいい。

田中彰一『なぜあなたは株・投信で失敗するのか―データで読む危ない銘柄の見分け方48のルール』★★★★★

なぜあなたは株・投信で失敗するのか―データで読む危ない銘柄の見分け方48のルール

 過去書評。「失敗に注目した株本は良書なことが多い」と言ったとき頭にあったのはこれ。

 初心者向けながら素晴らしい内容。文庫版も出ているようだ。

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