トマスの疑い深い資産運用

アラフォー日本人男性兼業投資家。日々勉強中です。

投資哲学

複利で増やせていることの重要性を実感しました

 誰とは言いませんが、最近個人投資家業界で話題のブロガーさんがいます。

 その人は、もう10年近くも毎月数十万・直近では50万ともいう凄まじい鬼入金をし続けて約5000万円の資産を持ち、金持ち風を吹かせて周囲を見下したり他人を煽ったりされています。

 恐ろしいなあと思っていたのですが、最近もっと恐ろしいことに気づきました。自分の資産がほぼその2倍もあるってことです。

(私のは金融資産だけでなく家とか家族分も入ってますが、その方は十中八九独身持ち家なしなので、頭金・ローンや扶養と相殺ってことで。)

 独身時代はともかく、結婚以来は大して入金できていないにも関わらず、です。

 自慢じゃないですが(と言わなきゃならない時点で自慢ですが)投資で曲がりなりにも毎年複利で増やせている場合と、入金だけでほとんど増やせていない場合の差が、いかに大きいか実感できます。

 複利で増やしていくことの重要性は、理論としては当たり前で、よく言われていることなのですが、やはり身近(?)な実例で体感すると全然違いますね。

 今後も、大儲けするより大負けしないで続けていくことを心がけていきたいと思います。周囲で年初来+数百パーセントとかいうパフォーマンスを最近よく見るので、自戒を込めて。グッドラック。

決断力・一日一善・20マイル行進

 ウメハラの『1日ひとつだけ、強くなる。』という本は面白かったが、タイトルとなっている言葉そのものへの興味が尽きない。

 「一日一善」とか昔から言うよなあ、とか考えているうちに、意志力の観点から、いくつかの概念を統一的に理解できるのではないかと思うようになった。

 一般的に通じる安定した呼称はまだないようだが、意志力とか決断力とか精神力とか、とにかくそう言われるところのものがあって、以下のような性質を持つとする。

  • 使うごとに減衰する
  • 睡眠や休息で毎日回復する
  • 通常の限度以上に回復することはない
  • 使わなかった分を貯めておくことはできない

 そして何かを成し遂げるには、その成果に比例したエネルギーが必要だとする。

 この仮定のもとで、長期にわたって最大の成果をあげようと思ったら、毎日補充されるエネルギーを毎日きっちり使い切る、やり過ぎもやらなさ過ぎもせずにずっと続ける、以外の方法はない。基本的には。

 ある時期はずっと猛烈に取り組み、ある時期はずっと怠けている、というやり方だと、猛烈な時期のパフォーマンスはエネルギーの上限にぶち当たり、怠けている時期の力は無駄に消えていくことになるからだ。

 現実には、理屈通り行かないことはもちろん多いだろう。成果がエネルギーに比例するとは限らないし、適切なチャンスがなければ取り組んでも意味がないかもしれないし、何にやる価値があるかすらわからないかもしれない。

 しかし、現実の一側面を理解する上で価値あるモデルであることは間違いなかろう。「一日一善」等の格言や「規律ある生活」とでもいった一見古くさい精神論は、このあたりの経験則が歴史化したものなのではないか。

長期投資もAIに置き換えられるのか?

 という記事を書いたばかりだが、長期投資も結構やばいというような記事が日経に出たらしくて、その話についても少しだけ。

 前回書いたとおり、長期投資(とりあえず「年単位」と定義する)はそう簡単にAIに置き換えられることはないし、置き換えられたとしても、そのインパクトは短期投資ほど劇的なものにはならないと考えている。

 まず「長期投資が得意」と言ったときに、

  • 遠い未来を正しく予測できる
  • 気が長くじっと待てる

 という2通りの意味を分けて考える必要があるだろう。

 1年後の天気予報を、明日の天気予報と同じように当てることはできない。単に今はまだできないというのではなく、文明がいかに発達しても未来永劫できるようにはならないと信じる根拠がある。

 それはなぜか、というところまでは、このエントリではつっこめないが、長期的な経済や株価の予測が、長期天気予報と同等以上に困難なのは、ほぼ確実である。

 要するに、遠い未来を正しく予測できるという意味での長期投資は、人間にも不可能なのだ。それができるならバフェットはちゃんとAMZNを買えているはずだろう。そして、人類にできないことはAIにもできない。

 次に、後者は、当然AIの方が得意でありうる。というか、絶対に得意だ。"sleep 100 years"とプログラム(?)すれば、群集心理にも流されず感情的ミスも犯さず、じっと待てるだろう。

 しかし、長期投資において、人間が「気の長さ」を競う相手は、AIではなくそのAIを使う別の人間であるから、AIが人間よりそれが得意かどうかは、そもそも問題にならない。

 極端な話「100年間全く儲からないが101年目から毎年倍になる超AI」が実在したとして、あなたは使うだろうか? 他の人間にそれを使われたら脅威だと思うだろうか?

 では、AIによる長期投資は全く問題にならないかというと、もちろんそういうわけでもないだろう。

 大量のデータの中から、他の人がまだ気づかない相関にいち早く気づく、というような意味での長期投資は、AIの方が得意になりうる。

 具体的に言えば、たとえばシクリカルの大型株への投資で、個人投資家が市場平均を出し抜いて儲ける余地は、小さくなっていくのではないかと思う。

 逆に、今はまだデータ化されてい「ない」データを調べるとか、今はまだ存在し「ない」需要やサービスに気づいて、それを提供しようとしている新興小型株に投資する、とかいう形の投資チャンスは、まだまだ個人投資家、というか人間の手に残されるだろう。

 たとえば、どこで見た話か忘れたが、石油タンクの写真をドローンで撮影して、写真をAIで分析して石油の需給を予測して儲けているところがあるそうな。

 この話で重要なのは画像認識AIではない。すごいのはアイデアと、実際にドローン群を運用することの方であって、ドローン+写真を見る人間の方が、ドローンなしのAIより、当然良い成績を出すだろう。

 AIが「石油タンクをドローンで撮影しまくったら石油価格先回りできるんじゃね?」というアイデアを出してくれることはない。個人でドローン群の運用は無理でも、同じようにコロンブスの卵的なアイデアと調査で市場を出し抜く余地は、まだ当分あるはずだ。

(それすらなくなる日には、どのような意味であっても、投資をする必要もなくなっていることだろう。)

 アラン・ケイ「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」という有名な言葉がある。一年後の天気を予測することはできなくても、一年後の天気をコントロールすることならいずれできるようになるだろう。

 個人投資家に求められる能力も、予測というより発明に近いものになっていくのではないか。おそらくそれは従来より難しい。その意味で、長期投資にもAIの脅威がないとは言えない。それこそ長期的に考えて対応していく必要があるだろう。

ノイズを一万時間見続けてもノイズに詳しくはなれない


 「彼」が誰のことかは「おそらく」ぐらいまでしかわからないが、今回は、特定の誰かとは関係なく、このツイートから連想した一般論として。

 最近よく「一万時間の法則」とか言われる。俗に「天才」と呼ばれるような才能は必ずしも天賦の才ではなく、時間をかけた反復練習によって、ほぼ何でもほぼ誰でも身につけられるのだ、というようなことが言われる。

 おそらく大枠において、この概念は事実として間違っていないし、努力目標としても有益だと思われるが、ひとつ重要な前提が抜けている。間違っているというのではなく、日常的には当たり前過ぎて、わざわざ意識されないという意味で。

 そもそも「やることに意味がある」という前提だ。

 ノイズを一万時間見続けても「ノイズに詳しく」はなれない。詳しくなるべき情報は含まれないからだ。それがノイズの定義だ。

 実際にホワイトノイズを一万時間見続ける人はおるまいが、ノイズ(同然の情報)と(情報理論でいうところの)情報を見分ける能力がないと、それ同然のことをしてしまうことはありうる。

 たとえば、ある種のテクニカルの「手法」の探求は、それに近いのではないか、と私は疑っている。全く何の意味も持たないというよりは、他人やAIを含めた市場平均を上回って、かけた労力をペイすることができない、という意味で。

 しかし、情報とノイズ、意味のある勉強と無意味な勉強を見分ける力は、どうやって身につければいいのか? 鶏が先か卵が先か的で、簡単な答えはないが重要な問題である気がする。

タカタ株と『瓶の妖鬼』

 7312 タカタで思い出した、というか倒産株を見る度に連想する話がある。『ジキル博士とハイド氏』が超有名なロバート・ルイス・スティーヴンソンの『瓶の妖鬼』である。

 悪魔の入っている茶色い小瓶がある。悪魔が叶えてくれそうな願いなら、何でも叶えてくれる。

 不老不死とか神になりたいとかは流石に無理でも、金とか権力とか恋愛とか一時の健康とか、ほぼなんでもあり。ただし、これを持ったまま死ぬと地獄行きとなり、永遠の責め苦が待っている。

 ポイントは入手する方法と手放す方法で、次の持ち主が、メリットとデメリットをちゃんと理解し納得した上で、前の持ち主から買わなければならない。しかも、前の持ち主が買った時の値段より安い値段で。

 つまり、持ち主以外が単に拾ったり盗んだり強奪したりしても、願いは叶わない。持ち主が単に捨てるとかしても、いつの間にか戻ってくる。冗談のふりをして騙すとかも不可。

 0円で売ることは不可能だから、1円では誰も買わないのは自明だ。よって、2円で買う人が誰もいないのも明白だ。だから、3円で買う人がいないのも明らかだ。従って、4円では誰も買わないのも誰だってわかる。つまり5円では……あれ?

 そうなのだ。論理的には、いくらだって買えるはずも売れるはずもないのだ。しかし、このような小瓶が実在すれば、私なら10円ぐらいまでなら喜んで買うだろうと思う。

 自分より下の値段で買う非論理的な人間が、ひとりでもいれば自分は助かるからだ。そう思えさえすれば論理的な(はずの)人間でも買えてしまう。実際には世界に非論理的な人間が誰もいなくてもである。

 相手が自分より馬鹿だと思う過程がフィードバックループすることによって、ひとりひとりは賢くても、全員が大馬鹿のように行動してしまうという点で、

 の話にも共通するところがある。

 1円まで落ちていく倒産株を使ったマネーゲームに参加するなら、こういう過程が起きているのだと意識しておく必要はあるだろう。

 ……といっても最近のスカイマークなど、実際に1円まで落ちないようなこともあるみたいだが。

株口座のお金をお金と考えない投資家的二重思考


 投資口座のお金はお金と考えず、ポーカーのチップとかゲームの点数だと考えるようにすべきだ。

 ……というようなことは、よく言われることではあるのですが、このツイートをきっかけに一度まとめたいと思います。

 普通の個人投資家が種銭を貯めるには節約が必須です。そして、当然その種銭を投資することが必要で、投資すれば大きく儲かったり損したりすることが必至です。

 どれも当たり前ですね。何の努力もせずにリスクもなく100%儲かる、という幻想を抱いている大馬鹿者でない限り、この過程全体が目的なのですから。

 すると、その過程で、何年も勤倹貯蓄に励んでいる一方、相場の方で月収の数倍あるいは年収にも匹敵する額を、1日で儲けるまたは損する、というシチュエーションが必然的に生じます。たまたま超天才で大成功していても絶対に避けられません。それが目的なんですから。

 しかし、ここで問題が生じます。2つの世界の数字に落差がありすぎて、金銭感覚に齟齬が生じてくるわけです。

 日常の金銭感覚が相場の数字に引きずられてしまうと、勤倹貯蓄に意味が感じられなくなってしまい、本業に身が入らなくなったり、浪費したり、普通の消費に喜びを感じられなくなったりするでしょう。

 相場での金銭感覚が日常の数字にアンカリングされてしまうと、最初の2chの画像にある「頑張って働いて貯めた500万円みたいな思考」になり、適量のポジションを取れなくなったり、損切りが遅れたり早すぎたり、実力に見合ったパフォーマンスはあげられなくなるでしょう。

 そこで、勤倹貯蓄と投資相場の双方でベストパフォーマンスを維持しようとすると、株式口座のお金をお金と考えないようにする、という発想が出てきます。

 相場で大きく儲かって株式口座の額が増えても、それは本物のお金ではない。あくまで架空の利益・ただの数字、将来(数十年先かも)の損失と相殺して残って最終的に出金・消費できて初めて意味のあるもの。

 逆に大きく損しても、それは本当にお金がなくなったわけではない。大きな利益を求めるためには当然よくあること。あくまで必要経費。一時的にチップが減っただけでゲームの最後に勝っていればそれでよい。

(優位性のない投資をしているのにそう思い続けていたら、いつか退場してしまうので、損の方は難しいところですが。)

 お金であってお金ではない。たとえ画面のクリック数回とATM1回で、1円も違わず相互変換可能であると知っていたとしても。絶対に同じではない。同じであって同じではない。『1984年』も真っ青の投資家的二重思考(ダブルシンク)です。

 これで、日常生活では「1円を笑う者は1円に泣く」と勤倹貯蓄に励む一方、投資で百万円単位で吹っ飛んでも全く気にしないという、一見矛盾しまくりの清く正しい個人投資家生活が可能になるわけです。

 家を買った時に言及したmagic氏の記事を再び紹介しますが、おそらく「無意味な心理会計だなあ」という感想がありうると思います。自分も初出時の感想はそれに近かったような憶えがありますが、今はいくらか似た実感があります。少なくとも無意味とは思いません。

コツコツドカンの負けを勝ちに変えるには

 このページのコメント欄にある「兼業トレーダー」氏からスマイル君氏へのアドバイスですが、ナンピンの危険性と損切りの重要性を説く記述として、私がこれまで読んできたものの中でも、トップクラスに属するぐらい素晴らしいです。

 自分で読み返したい時に見つけにくい上に、失礼ながらスマイル君氏のブログは、会社バレ・家族バレなどの事情で不意に非公開化・削除されてしまう可能性がかなり高いと思われるので、保全を兼ねてここにメモさせていただきたいと思います。

 ナンピンの危険性と損切りの重要性を説くだけなら、他でもよくあると言えるのですが、コツコツドカンの負けに至るルートの具体化と、それを逆にして利を伸ばす方への誘導まで、この分量でやってしまうというのは、あまり見覚えがありません。

以前はコメント頂きまして、ありがとうございました。

これから、僕ができる最良で最後のアドバイスをします。
かなり長くて厳しい内容になりますが、よろしければご参考下さい。
同じ歳のお子さんがいるので、他人事のまま片付けられないという単なるお節介です。

まず今回の短期取引について、もし売買が逆だったらと考えてみてください。前半に小幅な損失を繰り返しましたが、今は3M近くの含み益で、どうやって利確しようか、という理想的な状態ではないでしょうか。

ではこの状態に至るためには、単純に売買を逆にすれば可能だったのでしょうか?
結論から言うと不可能です。なぜか。

前半の連勝した時期の取引は以下のようなものだと思います。
(1)エントリー→利益出ればどこかで利確
(2)エントリー→損失でたら積み増し→反転して利益になれば利確
また後半の退場しそうな取引は以下です。
(3)エントリー→損失でたら積み増し→損失膨らんだら積み増し→‥→積み増せなくなったらお祈り

これを逆にして表現を見直すと、以下のようになります。
(1)'エントリー→損失でたら損切り
(2)'エントリー→利益でたら確定せず積み増し→損失に落ちたら損切り
(3)'エントリー→利益でたら確定せず積み増し→‥→どこまで上がるか傍観

つまり(1)'損になったらすぐ損切り(2)'利益がでたら確定せず積み増してみてそれでも損がでたらすぐ損切り(3)'(2)'が何度もうまく行って(=トレンドに乗って)爆益という構造です。

絶対額が(1)+(2)≪(3)なのは、既に3回体感したはず。

ここで損切りできないとどうなるでしょうか?
(1)'→(2)または(3)
(2)'→(1)、(2)または(3)
(3)'→(1)
に変わってしまう。

これがいまのあなたに不可能な理由であり、
みなさんが言うように損切りできることが最重要である理由です。
俗に言う損切りは迅速に、利益は伸ばせ、の正体です。

皮肉にも矜持ある人ほど負けが認められず、損切りができない。
そのままだと(2)が(3)になるたびに退場して終わり。
この記事を笑って眺められる日は、確率上0パーセントであり、訪れないことが分かります。

最後に、こんな質問を仮定してみてください。
大まかにゼロサムゲームと言われる市場で、プラスになる行動を教えるわけがないのでは?

いえ、問題ありません。

なぜなら市場にはあなたと同じ思考をした初心者が次々と現れては、マイナスサムゲームを繰り広げてくれるからです。
さらにその初心者のほとんどは、少なくとも一度大きな痛手を被るまで、ひどい場合は被っても行動を変えようとしません。
いまのあなたと同じように。

今回仮に救われることがあっても、それは祈りの結果の強運であり、正しい投資行動ではないこと、ご留意ください

投資は短期のものほどAIに置き換えられやすい

 の記事で、すでにちらっと言及したことがあるが、私はあまりデイトレをしない。

 やってできないことはないと思うし、どちらかというと儲かる可能性もあるが、むしろコミットすることを意識して避けている。

 最大の理由は、今後真っ先にAIに奪われる(もしくはすでに奪われた)ポジションだと考えているからだ。

 等の話にも関連するが、投資は短期のものほどコンピュータ向きになる。投資を大雑把に時間で分類すると、だいたい以下のようになるだろう。

  1. スキャルピング(秒)
  2. デイトレ(分・時)
  3. スイング(日・週)
  4. 中長期(月・年)

 本当はこの上にさらに0:HFT(コンマ秒以下)の領域があるが、もともと人間はできなかったことだから、今回は省く。

 このうち、1と2の半分ぐらいまでは、すでにAIの方が優位な領域になっていると思われる。そして今後二度と人間に優位が戻ってくることはない。

 対して、3,4はそう簡単にAIに置き換えられることはないし、置き換えられたとしても、そのインパクトは1,2ほど劇的なものにはならないと予想される。

 短期投資が何か悪いとか、スキャルパー・デイトレーダーが何か他の人間より劣っていると言っているのではない。(プロ棋士は頭が悪い、と言っているのではないのと同じく。)コンピュータ・人工知能が比較的得意な仕事をしていると言っているだけだ。

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