トマスの疑い深い資産運用

アラフォー日本人男性兼業投資家。日々勉強中です。

読書ノート

ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』78 あなたの投資から最大限の果実を得るために

78 あなたの投資から最大限の果実を得るために

 いよいよ最後の章です。

 この本を読んで、ほとんどの読者は自分の力でかなり良いところまで行けそうだと感じるはずだ。どういうやり方で何をするかは、年齢、資金、目標、能力、人脈、職業といったさまざまな個人的な要因によって大きく違ってくるはずだ。
 重要なことは、読者がフルタイムの仕事を持っていたら、相場の動きに一日中注意を注ぐことを求められる専門家向けの短期取引をやろうとするベきではない。この本から採用するアイデアが、自分の気質に合ったものであることは、絶対条件なのである。

 散々「長期より短期」と言ってきてそれは……と思う人もいるかもしれませんが、あくまでこの本では「短期」≒「投機」≒「何も考えずにいることの反対」です。長期投資家であっても役に立つと思います。

 株式ブローカーとして、投資家として40年間過ごしてきた経験上、私はあらゆるタイプの人間、あらゆるタイプのアカウントの動きを見てきた。儲けた人もいればお金を失った人もいた。ごくわずかだが、相場で常に儲けを出す人たちもいた。素晴らしい財産が築き上げられるのを目の当たりにしたこともある。損をした人もたくさん見てきたが、幸運なことに1929年から1932年にかけて起こった、あの壊滅的な惨劇のようなことには遭遇しなかった。

 前も出ましたが、この惨劇というのは大恐慌のこと。

 世界金融危機の記憶がまだ鮮明な今ですが、我々のキャリアの終わりになって「幸運なことにサブプライムショックのようなことには遭遇しなかった」と述懐することもありうるわけです。楽観しすぎも悲観しすぎもせず中道を行きたいところです。

 可能であれば、リスクを冒すのは若いうちのほうがよい。若いときは自分の力を試し、評価する時期だ。それはすなわち、将来性のある職業を選ぶことでもある。住居は購入するのではなく、賃貸にして慎ましく生活すること。すべての努力は元本の形成というただひとつの目的に向けてなされるベきだ。

 種銭作りの話は以下も再読のこと。

 この本の題名は『投資を生き抜くための戦い』だ。なぜなら元本を守り、増やすことは紛れもない。「戦い」だからだ。経験に加えて、生まれつきの才能や人脈などを育てるには不断の努力と注意力、そして成功への強い欲求を必要とする。

 種銭がなく、当然投資でまともに儲けたこともない一番最初にモチベーションをどこから持ってくるのかというのは、この本でも他の本でも未解決の、重要な問題である気がします。

 多くの累積投資プランの成否は、その業界のなかで適切な相談相手を選べるかどうかにかかっている。

 情報源についての章を再度ポイント。

 1日1時間を割くか割かないかによって、実際に損を出すか大儲けするか、大きな分かれ道となるのだ。この本を活用できるのは、それができるタイプの投資家たちなのである。

 時間をかけることに関する話で思い出すのはこのあたり。

 この本を読まれた読者は一人残らず、お金をただ保管しておくことの危険性と、なぜこの本が『投資を生き抜くための戦い』と題されているかということについては理解を深められたと思う。「備えあれば憂いなし」という言葉もある。投資の真の目的と、その達成がいかに困難であるかを知れば、戦いには半ば勝利したも同然である。それを知っていること自体にも大きな価値があると言えるだろう。

 ラストの一文。

 様々な記事やコラムから集められた部分があるため重複が多かったり、古すぎて補正が必要だったり、翻訳がわかりにくかったりと、引っかかる部分もいろいろある本でしたが、こうして整理してみて、改めて素晴らしい本だと思いました。オールタイムベスト級です。

ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』77 けっして確認せずに鵜呑みにしてはいけない

77 けっして確認せずに鵜呑みにしてはいけない

 厳密な意味で、すべての条件がそろった最高の銘柄が実際に現れるのは、2、3年に一度のことでしかない。

 この人が当時のアメリカにいてさえそうならば、自分が現代日本でそれ以上を望むのは無理というものでしょう。

 一応10年近い投資経験があることになる私でも、入る前から行けると思って、実際にまとまった利益が取れた案件は、2012年の3085 アークランドサービス、2014年の2121 ミクシィ、2016年の6200 インソースと4235 第一化成ぐらいです。

 かなり相場のいい時期でさえ2年に1回のペースということですから、長期的にはそれ以下と思って間違いないでしょう。3年に1回のペースだとしても、50歳までに出会える大チャンスは、良くてたかだか5,6銘柄ということ……。ちょっと考えてしまいますね。

ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』76 さらなる二重配当を

76 さらなる二重配当を

 この章名は忘れて下さい。原著では短い章が並んでいるものを、邦訳ではくっつけてひとつの章としているようで、ここで取り上げる内容とは無関係になっています。

●空売り

 空売りの正しいやり方は、値上がりを求めて買い付けるという行為の正反対であるベきだ。理論的に言えば、上手な空売りは、買われすぎている銘柄で行う。人気が過剰で買い手が多すぎる銘柄を選ぶということだ。浮動株の多い大型株で、ショートポジションがほとんどないか、皆無の銘柄であるベきだ。(中略)選ぶ銘柄は下降トレンドにあって、過去の安値に近いところにいるか、新たな安値を更新しているくらいがよい。収益も配当も下がることが予測され、それがまだ株価に織り込まれていない銘柄がよい。しかし、ここまで条件が揃った銘柄でも売ろうという勇気のある人は、なかなかいないのだ。

 ショートは自分もまだ修行中というか、ろくに経験がないのですが、単にロングの逆というのでは済まないことは確かです。絶対やるなとも無用とも思いませんが、少なくともメインにするものではないと思います。兼業投資家であれば特にです。

ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』73 ティッカーテープを読むことの価値

73 ティッカーテープを読むことの価値

 テープは相場の取引を「生」で伝える唯一の情報源である。ティッカーテープによる相場の判断には、ある銘柄に何かが起こる「とき」と、それが起こったときの「量」と、その銘柄の動きと相場全体、もしくは関連銘柄との「比較」という問題が関わってくる。

 すでに一度話題に出ましたが、テープリーディングというのは、今で言えば、歩み値だけをずっと見ているようなもの、と思ってよいと思います。

 どの銘柄が最初に動き出すか、どの程度活発に動くかが分かるのだ。ほかの銘柄と比較してどの程度強いか、あるいは弱いか。株価の表やチャートを使っていたら、推測するしかないことばかりだ。テープの読み方を心得ている人は、チャートに頼っている人のはるか先を行っているといえるだろう。

 当時は当然コンピュータがなかったので、リアルタイムのチャートなどはなかったはずで、ここでのチャートは、おそらく日足以上の時間間隔のものを指していると思われます。

 現在、出来高まで含んだ分足あるいはティックごとの短時間チャートを表示しているようなトレーダーは、テープリーディング相当以上の情報を得ていると言えそうです。

 デイトレーダーでなくても役に立つのは、他の銘柄と比較せよ、という部分でしょうか。当たり前と言えば当たり前ですが。

 ティッカーテープを見ていれば、売買注文を最も有利な形で出すことができる。企業分析から得た投資の見解をより強固なものにしたり、疑問を投げかけたりするのにも役立つ。調ベるベき銘柄のヒントを与えてくれることもある。基本的には短期投資向けの手法という第一印象があるが、ティッカーテープをきっかけとして、6カ月以上先の利益がもたらされることもよくある。

 これも類似の箇所はあったと思いますが、投資においては短期が長期を兼ねることはあっても、長期が短期を兼ねることはない、という話。

 私は、いくつかの理由で、デイトレ以下の時間間隔の投資には、意識してコミットしないようにしていますが、一時、中長期投資の補助と割り切って勉強していたことはあります。それ自体の利益はわずかでしたが、役に立っているとは思います。

 チャートを後から見ている時でも「ああこの部分では、板ではこんな風にガガッと動いて、歩み値だとドドドって感じだったんだろうなー」とか、脳内補完できることが結構あるからです。アニメーションなので言葉では説明できないですが。

ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』70 豹はけっして斑点を変えない――性格や品性は直らない

70 豹はけっして斑点を変えない――性格や品性は直らない

 最近話題のあの方を連想せざるをえない章タイトルの印象とは異なり、公募増資の話。細かい話が多く時代も異なるので、詳しくは取り上げませんが、要するに「目論見書をよく吟味せよ」とのこと。

 十分な情報を持つ投資家は、けっして1株当たりの株価を見ない。時価に発行済み株式数を掛けた合計金額が彼らの買いたい市場価値である。

 これは以前も言及しました。発行株数と額面価格がてんでバラバラな以上、1株あたりの価格に意味はなく、意味があるのはそれを掛け合わせた時価総額だけです。

ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』68 「良い」銘柄の条件は?

68 「良い」銘柄の条件は?

 私の長年の経験では、相場がある方向に向かうことを示唆する要因が複数見えているにもかかわらず、現実には逆方向に動いたとき、その予想外の逆方向の動きはおそらく2倍も重要である。

 これも、言われてみれば当たり前のような気もしますが、重要なことに思えます。

 残念ながら自分は、これにきっちり当てはまるような実例を経験したことはありませんが、超上級者の方々が、たまに数時間から数日後のトレンド転換をズバリ当てることがあるのは、基本的にこの原理に基づくものなのではないかと推測しています。

ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』67 果てしない利益

67 果てしない利益

 ウォール街で40年以上を過ごして、私は少なくともひとつの教訓を学んだ。それは「ウォール街には常にチャンスがある」ということだ。すべては変化し続ける。同じものでも、年齢の異なる人には異なって見える。

 自分はまだ10年程度の経歴でしかありませんが、これは本当にそう思います。取り逃したチャンスが多すぎて腹が立つぐらいです。もちろん、チャンスがなくて困る時期が、また来ないとは限りませんが……。

 社会や制度も少しずつではありますが変わっています。取り残されないように努力していきたいところですが、相場全体が低調な時代が来たときに、モチベーションをどう確保するかは、これという案が見つからずに困っています。

 現代は吝嗇家の人間には暮らしにくいが、楽天家には実り多い世の中である。

 楽観主義、ポジティブシンキングは、

 で一度触れたぐらいで、本格的に取り上げたことはまだないですが、重要なことであると思われます。個人としても社会としてもです。

ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』64 私はセールスしない―皆が私から買っていくのだ

64 私はセールスしない―皆が私から買っていくのだ

 「自分が買わないようなものは、人にも売れない」
 私が一人の顧客も持たない駆け出しの証券セールスマンから、業界全体のトップセールスマンと呼ばれるようになるまで貫いたのがこの原則だ。

 冒頭部分。投資家としては、単に誰かが買ってくれて自分が売り抜けられればいいですが、セールスマンとしてはそうはいかないでしょうからね。

 自分が売るもの、あるいは提供するサービスが、自分の知るかぎり最高のものであると確信が持てること、そして直接的にはビジネスにつながらなくても、その人のためになりそうな形でサービスを提供し続けることなのである。

 末尾部分。この章は著者の職業的自伝のようなものになっていて、かなり面白いです。兼業投資家は、むしろ投資よりも本業の参考になると思います。直接的に投資の話題ではないものが多く、長すぎて、ここでは紹介できませんが。

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