トマスの疑い深い資産運用

30代半ばの日本人男性兼業投資家。日々勉強中です。

ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』20 「良い」買い、「良い」売りを見抜く

20 「良い」買い、「良い」売りを見抜く

 ウォール街で成功するのに最も重要なのは、他の何をおいてもティッカーテープの技術である。ほかの何にも目を向けず、テープだけを見ていても大金を稼ぐことができる。読み方さえ習得すれば、それは安全弁となり、なすことすべてを自動的に制御してくれる。

 当時のティッカーテープがどんなものだったかも、ちゃんとは知らないのですが、テープリーディングというのは、今で言えば歩み値だけずっと見ているようなものと思って、ほぼ間違いないと思います。

(「だけ」というのは、当時は、リアルタイムのチャートや日足より短い時間単位のチャートは、おそらく存在しなかったはずなので。)

 自分も一時デイトレ試していた時ぐらいしか見ていないので、そんなにわかったようなことは言えませんが、歩み値をずっと見ていれば、日足以上の時間単位のチャートより多くの情報が得られることは間違いないと思います。

 歩み値が全部わかっていればどんなチャートも描けるのに対して、逆は不可能なので、当然と言えば当然ですが。デイトレ・スキャルピング等の短期トレーダーは、今でも見ているのだと思います。

 高値でさらに上昇する株は買いだ。「低位」でさらに値の下がる株は、買いという面では私の関心外である。

 繰り返しですが、この本のスタイルは基本トレンドフォローの短中期投資(投機)なので、たとえばファンダメンタルズメインの長期投資などと矛盾しても、どちらかが正しくてどちらかが間違っている、というものではありません。

『プロ・トレーダー マーケットで勝ち続ける16人の思考と技術』★

 ティム・ブールキン著、ニコラス・マンゴー著、ジョン・ボリンジャー監修。『マーケットの魔術師』的なインタビュー集。

 プロのトレーダーの話、テクニカルの話ばっかりで、私とは条件も分野も違いすぎて全然参考にならんかった。ちゃんと読んでないので、条件の違う人にとっては良書である可能性は否定できない。

 このジョン・ボリンジャーって人、ボリンジャーバンドって指標考えた人なのかな。テクニカル興味ないから知らんけど。

ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』19 「速い」銘柄か、「遅い」銘柄か?

19 「速い」銘柄か、「遅い」銘柄か?

 現金取引の「安全性」や、「安全な」株に絞るのが賢明である、ということをよく聞く。私自身は、こういった考えは実践では通用しないと常々思っている。
 「安全な」株というと、動きが比較的緩やかで安定した銘柄や、危険のない程度に安値で売っている銘柄のことだろう。「安全な」株のポジションについては、上げ相場の間、ほかの株がぐんぐん上昇するのを横目に、かなりやきもきさせられるのではないだろうか。また下げ相場のときにロングだと、安全な株のゆっくりした動きは、人に偽りの安心感を与えてしまうことだろう。

 「偽りの安心感」(の否定)というのは、この本の主張を一言で表現するものとして適切ではないかと思います。

 素早い動きをする銘柄では、間違いを犯す余地はなく、ポジションを建てる前には、緩慢な銘柄の場合より慎重になる。同様に、株が期待どおりの動きをしなかったり、逆方向に動いたりした場合にも素早く撤退できるように用心するようになる。私の意見では、これが本当の安全というものだ。さらに、利益の中から将来の過ちに備えて予備資金を蓄える機会もできる。
 同じように、ある銘柄にかなり大きなポジションを建てたり、信用取引を使うことは、何かを買ったまましまい込んで安心しているよりも、はるかに安全である。人は信用取引でポジションを建てるときには慎重になるし、動きにも注意を払うからだ。

 信用取引の方が安全というのは、もちろんやる人の資質次第ではあるでしょうね。まあ著者の姿勢は一貫しているので意味するところに誤解はないでしょうが。

 潜在的な利益はポイントよりパーセンテージを基準に考えるベきだ。値上がりの勢いも同様に測るベきである。

 これも当たり前と言えば当たり前ですが、地味に重要な話だと思います。1株の価格が株ごとに違う以上、前日比が絶対額でいくら、という情報はノイズにしかならないです。

 たとえば、前日比が「150円上がっている」という情報は、前日終値30000円の銘柄なら「何も起きてない」ということを意味しますが、前日終値700円の株なら「ストップ高している」ということを意味します。

 「150円上がっている」という情報は、少なくとももうひとつ他の情報を知るまで、何の意味ももたらしません。対して、前日比が「+15%である」というのであれば、たとえどんな銘柄でも、何か起きていることは確実です。

 私は、自作エクセルツールでは、値上がり値下がりについては、最初からパーセンテージしか表示しないようにしています。

ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』18 株のスイッチングのメリット

18 株のスイッチングのメリット

 あるサイクルでの花形株は、次のサイクルではめったに主役とはなりにくい。
 多くの人は盛りを過ぎた株や、強気相場でもまだ未熟な株を持ち続け、ほかの株がどんどん上がるのを脇目に、お気に入りの持ち株が何も動かないでいるのを眺めている。
(中略)
 株を買っても、長い時間をかけて緩慢に下げれば、じらされて苦しい思いをするだけだ。それよりも、いったん売って損を確定してしまえば、覆水盆に返らずでくよくよしても仕方がない。
 短期だと、現実的な方法で正しい株が手に入りやすい。というのは、それは値動きと時価を基準にしており、見当違いの期待によるものではないからだ。短期トレーディングは、うまくやれば最も安全な投機なのである。

 これも「何も考えずにいてはダメ」という大原則のくりかえし。

 正しい方法は、買い乗せすることである。仮に私が1000株の購買力を持っているとする。(中略)株が上がると考えて、100株購入する。しかし、上がるべきときに上がらないどころか、まずいことに下がっていく。そこでそれを売却する。損失は、保険、経験、あるいは事始めの経費としてつけてもよい。
 次に、(中略)100株買う。それは私が期待したとおり上がり始めた。そこで私はさらに200株買い増す。まだ好調なので、さらに買い足す。そして、さらに……。
 理解してほしいのは、うまくいけば最初に小さなリスクを負うだけで、良い株のロングポジションを連続して持てるということだ。

 買い乗せでもわかりますが、いわゆるピラミッディングとか増し玉とかいうやつですな。

 株を売る最大の理由は、上昇が止まったか、悪くすれば下がり始めたからである。実際はそれよりもずっと複雑ではあるが。
(中略)
 言うまでもないが、何度も株を売っては、その株がその後、値上がりするのを目の当たりにすることになる。それらを買い戻してはいけないというルールはない。40ドルでスタートして100ドルで終わる株を何度も買っては売るほうが、40ドル払って持ち続けるだけよりもずっと安全である。もし買ったあとにすぐ下がり、40ドルで買っていたとすると、売らなければと思うほど心配はしないだろう。しかし最後のロットを100ドルで買ったとすれば、あなたはたちまち不安になるはずだ。そしてもしナンピンではなく利乗せしているとすればもはや買い乗せはしないし、もしも本物の下落に陥ったら、当分の間は近づかないだろう。しかし40ドルで買った株主は、株が100ドルに付けるのを見たあとでは、60ドルで買い下がりしてしまうかもしれない。

 このようなやり方は、ファンダメンタルズに基づく長期投資の立場から、はっきり否定されることがあります。覚えているだけでも、たとえば『投資で一番大切な20の教え』に、そのような趣旨の記述がありました。

 しかし、どちらかが正しくてどちらかが間違っているというものではなく、スタイルの違いと割り切って、どちらも正しいと考えるべきと思います。

 いつの時代でも、花形株を持ち続けて巨額の財産を築いたという例もある。けれどそれは問題ではない。どこまでが偶然の産物か、そしてどこまでが自分の判断によって得られた成果か? 私は、ほとんどがほかの条件と組み合わされただけの偶然であり、判断による部分は非常に少ないのではないかと思う。富を築いた人々だけでも珍しいのだ。保有株が全盛を迎えたときにスイッチングできる能力を備えた人物はさらに珍しい。

 長期投資の大当たりは偶然の要素が大きいか? そうではないケースも多そうな気がしますが、少なくとも、偶然であってもなくても(自分自身にとっても)その判断がつきにくい、ということは言えそう。

 一般人にとつての現実的な問題は――私が勧めるようにスイッチングしてより儲けるか、それとも長期の希望にすべてを賭けるか? 答えは、確実にスイッチングのほうに分がある。実際、私の方法に従えば、そのときの主力株を獲得しているチャンスがかなりあるが、オーソドックスなやり方では、そんなチャンスはほとんどないに等しい。

 ここも難しいところな気はしますね。あくまでこの本のスタイルで「投機」を行うなら、という条件はつけた方がいいかも。

 誰かがある株で資金を2倍にしたとか言ってきたら、どれだけの期間がかかったか聞くことだ。6カ月で2倍になったら、それは素晴らしい。しかし12年かかって2倍にしたのなら、年間わずか6%の儲けにすぎないのである。

 期間が大事というのはある意味当然ですが重要な話。(参考:長期投資は手段であって目的ではない

 利回りの例として6%という数字がよく出てくるのは、当時の金利がそのぐらいで、72の法則的に割り切りやすいからか?

ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』17 さらにマーケットのテクニカル的状況について―その相互関係と意義

17 さらにマーケットのテクニカル的状況について―その相互関係と意義

 この章名は日本語版にしかなく、原文では『その他のテクニカルな着眼点』のそのまま続きです。突出して長すぎる章なので、何らかの都合で分割されたものと思われます。

 本当に価値あるテクニカルな情報は、そう簡単には手に入らない。機敏なブローカーなら知っているだろうが、役に立つ数値よりも、個人の判断が優先するのは仕方がない。
 人は、「弱い」テクニカル的状況やマーケットの「買われすぎ」状況、またその逆に「強い」状況や「売られすぎ」について語る。当然ながら、取引されるすべての株は常に誰かが所有しているので、これは結局は株主の質のことを言っているのだ。

 再び株主の質について。よく考えれば当たり前のことなのですが、私も結構後になるまで本当にはわかっていなかったかもしれません。この件について今までで一番わかりやすかったのは、『生き残りのディーリング』です。この本も非常に素晴らしいのでオススメです。

 株は通常、注文の多い方向へ動く。つまり、買い下がりで出された多量の指値買いと、売り上がりで出された少量の指値売りの組み合わせでは、株価は下方に動きがち――またはその逆――なのである。当初の期待に反するこのような動きは、重要な買い付けが行えるように売りに出ている株が必要なことや、同様に多量の売り抜けには十分なビッドが必要だという、ごく当たり前の事情にあるのではないかと思う。
 株の買い付けを決定するのに必要なことのひとつは、素早く、大量に、しかも株価をあまり動かすことなく実行する能力である。上昇の限界点にほんの少数の株式しか売りに出されていない場合、それだけで、その気になっていた買い手を他の銘柄へやってしまう決定要素になるかもしれない。

 再び「板の厚い方へ動く」話。ここで「買い下がり」とか「売り上がり」とか訳されているのは、普通そう呼ばれる行動のことではなく、板の形のことだと思われます。文章では難しいので図示するとこうです。

 私なら最初の長期投資には、ほかの条件が同じであったら、できるだけオーナー経営に近いものか、少数の株主が大きなブロックを保有している会社を探す。

 これも株主の質の話。

J・D・ヴァンス『ヒルビリー・エレジー〜アメリカの繁栄から取り残された白人たち〜』★★★★★


 DON(@D0N12345)さんのツイートで知った。確かに非常に面白くて、夢中で読破してしまった。投資の役に立つかは微妙だが、アメリカ理解のために是非オススメ。

ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』16 その他のテクニカルな着眼点

16 その他のテクニカルな着眼点

 上昇局面で買い入れる(または下げ相場で売却する)正しい株の選び方の原則を手短かに説明するのは、そう簡単ではない。これらの理論を応用するのに肝心な点は、変化の兆候をいつ信じ、いつ疑ってかかるかを察知する才能だ。同じ状況に関して正反対の推論が起こり得るとすれば、重要なのはそれぞれが何を意味しているかを正しく判断する直感力である。
 このような逆説的な判断を正しく行う力をつけることができるかどうかを決めるカギは、経験である。
 強気相場での一時的な反落の間、主力銘柄の中で最も下げの少なかったものが十中八九、次の反発で最も値上がりするものになる。その一方、いったん市場が大きな下げ相場に入ったら、平均よりも強そうに見える銘柄は、単にいずれ起きる下落を遅らせているだけのことが多い。「相場の動きとずれている」のはどちらも同じなのだが、ラリー中の遅れが「(強気)相場に遅行している」だけという時もあれば、強気相場の主導株を作る活力が欠けていることを表している時もある。どちらがどちらだろう?

 ここも最後の部分が誤訳と言っていいほどわかりにくかったので修正してあります。

 原則にはこのような判断を用いなくてはならず、それが成功への確実な方式など存在しない理由なのである。しかし、より一般的な着眼点があることはあり、調査や実地テストの背景として応用すると役に立つと思う。
 予想を立てるなら主にティッカーテープから、つまり価格変動から行うことを勧める。これは初歩的ではあるが、成功には必要なプロセスだ。いったん市場が上げ相場と確信したら、私なら主力銘柄の中でも最強のものを追う。それらは弱さに対して最少の反応を示し、強さに対しては最も盛り返すものだ。そして、取るに足りない相場の兆候から誤った結論を出してしまう危険を最少にとどめるため、アクティブでなければならない。できれば反落しているときよりも、上昇しているときによりアクティブなものがよい。ただし、底値近くでちょっとした弱気が「投げ」を促し、反騰への備えとなることもある。ここでも、原則よりものをいうのは経験による判断だ。

 「出遅れ株は無視せよ」とか「主導株を追え」とかいうようなことはよく言われますね。

 「投げ」のところは原文では"shake-out"で、「振るい落とし」の方が適切にも思えますが、次の部分で(バイイング)「クライマックス」の逆とされているところを見ると「投げ」の方がいいようにも思え、微妙ですね。

 株式が値上がり時に活発になりすぎて天井に達し、上記の「投げ」の逆である「踏み」とか「クライマックス」とか呼ばれる状態になることもあり得る。ここでもまた、店頭銘柄や小規模な証券取引所で扱われる銘柄はもちろん、ニューヨーク証券取引所の不振銘柄でさえ、まったく何もできないことは明らかである。注目するものなど何もない。判断するベきものもない。兆候もない。好調のシグナルもなければ、その逆もない。
 したがって、言ってみれば買いにくく売りやすい銘柄を買うことに真剣に努めることになる。つまり買いどきには、並の銘柄と比べて、期待より少しだけ強い株だ。ここで言っているのは、相場の初期の段階か、明らかに上げ相場が一時的に後退している間か、弱気続きからちょうど回復の兆しが見えてきたときの株の動きのことだ。

 「踏み」のところ、原文では"blow-off"です。「踏み上げ」に相当する語は"short squeeze"なので、起きる条件としては合っていても、ニュアンスは違う気がします。

 直訳だと「吹き飛ぶ」「吹っ飛び」ぐらいになりますが、単に急上昇のことではないようで、対応する自然な日本語はない気がします。定義からは「バイイング・クライマックス」とするのが良さそうに思えます。

 それを修正してもなお意味するところがわかりにくいのですが、要するに出来高がない銘柄だと(テクニカルの)適切な売り時を判断することができないと言っているのではないかと思われます。

 ここでの強さとは、熟練したトレーダーだけが気づく程度のものである。誰にでも聞こえる大声で喧伝するような強さは、強気シグナルのこともあるが警告ということのほうが多い。できるだけ総括的で確実な説明を試みると、もし株式が何も知らない一般大衆に「見栄え」よく映るような動きを取るとすれば、その強さは危険の印だ――備えの乏しい者に、利食いや空売りを促したり、反発を待つ気を起こさせれば、その株はたいてい追跡の価値がある。この説明でさえ、手直しが必要だ。情報によらない買いは、それ自体が常に天井の兆候というわけではない。実際、急騰のサインであることがよくある。ここでも、タイミングが何よりも重要だ。

 ここも難しいですが、大衆にとって見栄えがよく飛びつきたくなるもの、というのは、すなわち直近で上がってきていて今現在訳もなく大幅に上がっているものだから、ということか。

 しかし本当の下げ相場のシグナルは、情報によらない買いが集中したときに起きる――言うは易しだが、これこそが世間で正確に見定めるのが最も難しいことのひとつである。役に立つサインは、買いの効果を見ることだ。もし株が順調に値上がりすれば正常である。もしも人気が集まっているのに足踏みするようなら要注意だ。買いが続いているのに株価が下がるようなら、トラブルを覚悟したほうがよいだろう。

 「買いの効果を見る」は自分で買うということではなくて、たとえば成行買いが多い中で、どんどん上の板を喰っていくような状態は順調、上の板にぶつかって抜けられないような状態を注意、抜けられないどこか上の板が押し下がってくるようだとまずい、という意味か。

 強調してもしきれないのは、何かが起きたときに、起きたことそのものではなく、そのタイミングについて考えることの大切さである。ある特異な動きを追うよりも、ひとつの銘柄の動きをほかと比べてみる。ニュースそのものを云々するよりも、ニュースが株価に与える影響を見ることだ。一度に市場の一面だけに注意を払うのではなく、需要と供給の両方に目を向けることである。

 これも広義の二次思考か。

 人々は、言葉や表現をかなりあいまいに使う――ことに買いの良し悪しに関しては。ウォール街で話を聞いていると、場合によってはその日の注文はすべて買いか売りしかないと思ってしまうこともある。
(中略)
 すべての株式は、常に誰かに所有されている。では、どのクラスの人々に? そしてもちろん、すべての売り注文は買い注文を受けなければならず、逆もまたしかりである。またしても、誰がどちらの側にいるのだろうか? これに関しては、マーケットの成行注文を指値注文と分けるとやりやすい。前者のほうがはるかに重要である。

 株主の質、つまりどれだけの期間(売りに出さずに)保有するつもりなのかが重要ということ。成行注文は、いくらであっても今買い(売り)たいという注文なので、指値注文より重要なのはある意味当然か。

 ほとんどの素人は、スペシャリストの名簿に買い注文が多く、売りが少なければ、自分の株は安泰で値下がりよりも上がる確率が高いと思いこみやすい。
 実際には、ほとんどのケースで逆になる。なぜならマーケットは通常、最大の指値注文とは反対の方向に動くものだからだ。売りに出ていないものは買えないし、買い注文がなければ売れもしない。もちろん例外もあるが、概してこのことが当てはまる。

 「スペシャリストの名簿」など当時の仕組みがどんなものか把握していないのですが、今で言えば何のことかはわかります。いわゆる「板の厚い方に動く」という経験則です。背景にある原理はここで言われているものと同じだと思われます。

 経営陣や大株主が相場にへたに介入しようとすると、本来「売り」注文が必要なところへ、「買い」注文を持ち込むことに集中してしまう。実際は、ビッドとオファーのスプレッドが狭いことが重要なのだ。相場を形成するには、たくさんの人に株を売り、彼らの関心を買い増ししたり人に勧めたりすることに向けることだ。それによって、幅広い自然なマーケットの下地ができあがるのである。
 人が株を買うときは、それを高く転売するのが目的である。したがってあなたの求める株は、転売しやすく、自然に売れるものであるベきだ。絶対に欲しくないのは、株価が人為的な需要のあるなしに左右される株や、見当違いのIRコンサルタントとうっかり契約し、株の強気情報をウォール街中に流さなければならないような会社の株だ。
 普段から取引の活発な主力銘柄には、このようなごまかしはあり得ないと考えてよい。それほど活発でない株、特にたまにアクティブなことがある銘柄にはよくあることだ。後者には手を出さないことである。

 いわゆる煽り銘柄とか仕手株とか、当時ほど露骨でなくとも、同じようなことは現在でも起きていそう……。

 繰り返しになるが、このように強気相場では「買いにくそうな」主力銘柄や、大方の主力株に少し差をつけそうな銘柄に投資するとよく当たる。
 ティッカーテープ、チャートや値動きの「兆し」を読みこなすのに最も大切な要素は、時間である。それがいつ起きたかを問わずに、ある株が高値を更新したり、抵抗レベルを抜いたりしたときに買いだといっても、その話はまったくのナンセンスである。つまり、相場のサイクルの中で兆候が早く出るほど意味があるのだ。遅すぎたら何にもならない。
 (中略)全体的な長い下落のあと、ほかの兆候が出てくる何週間も前に強気のシグナルを見せたなら、それはおそらく最も重大なブル情報だろう。だが、もしも数カ月に及ぶ強気相場のあと、出遅れ株が過去の高値をついに抜けたとしても、弱気サインとしては重要かもしれないが、たぶん買いシグナルとしては無意味だと思う。
 このようにひとつの株の動きを、相対的な強さや弱さ、活発さや鈍さ、達成にかかる時間などをほかと比べてみることが重要である。個々の銘柄の基本的な動きは、他の銘柄の動きと比べてみて初めて価値がある。

 ちょっとニュアンスが違うかもしれませんが「賢者が最初にやることは愚か者が最後にやること」という格言みたいなものかと。

 最も当てになる危険シグナルは、長期にわたる相場の持続的な値上がりのあと、株価が急騰したり、急上昇した分が完全に後戻りするというような、どちらにしても怪しまれる状況である。
 株がトレーディングレンジ内で行ったり来たりするのは、もちろん正常である。しかしもし連続高でレンジを突破したならば、50%から99%は保有を続けるベきである。株はいったんスタートしたら、二度目に参入するチャンスはめったに来ない。もし二度目のチャンスが訪れたとしても、見送るほうがよい。その株はもはや買いにくくはないからだ。
 妙な話だが、本物の暴落の初期段階では、非常に多くのナンピン買い下がりが行われるように、レンジ突破後の高値で売るのは簡単かもしれない。しかし賢いトレーダーは、新高値では買い乗せする。無知な者は「ナンピン」にいく。新高値は初心者にはなじみがなく、どこか危険に見えるのだ。
 銘柄が初めて20、25、30、35、40、45、50、55ドルを付けたとき、それはかなりリスキーに見える。だが、55ドルを越えてしまえば、49ドルは安全で手堅く思える。そういうわけで、ほとんどの「売り逃げ」は、「下げている」ときに起きるのだ。

 難平が悪手というのは基本中の基本ですが、「新高値」が危険ではなくチャンスに見えるようになったのは、自分の経験では、初心者脱出したと思えるターニングポイントだったようにも思えます。今が基本的に上げ相場の時期だからという面も当然あるでしょうが。

 新高値投資については、こちらの本をオススメしています。

電子資産の相続についての雑想


 このツイートをきっかけに考えた話を適当に。

 うちには、長年にわたって電子化した書籍やらmp3化したCDやらの電子資産が沢山ある。子供は、家でかかっているBGMなどの形で、すでにその恩恵を受けているし、自分で本が読める年齢になれば、さらにその恩恵は大きくなるだろう。

 ITの進歩は教育機会の均等化に繋がる場面もあれば、生まれの差による格差をさらに広げる側面もあるのではないか。

 Kindleで買った書籍は相続できるのだろうか? Steamで買ったゲームは? ちゃんと調べてないが、おそらく今はNoだろう。個々のアカウントに紐付くものとなっているのだと思う。

 しかし、死んだ後もacc/passさえ教えてもらっていれば、実質的には相続できるのではないか?

 たぶん規約としては死んだら契約解除されることになっているのだろうと思うが。処理はどのぐらい厳密に行われているのだろう。というか、死んだら取り上げられる資産なんて他にはあまりないと思うが、それでいいのか?

 問題になった例はあるのか? ITを日常的に使いこなしている世代が寿命で死ぬようになってくると、これからもっと問題になるのだろうか?

 相続を考えなくても、家庭内で子供や家族に端末を貸して読ませるぐらいのことは、普通に行われているのではないかと思うが、これも厳密に言ったらダメなのではないか?

 端末がもっと進歩して、生体認証やAIで常にユーザを把握するようになれば、また状況は変わってくるだろうか? その場合、貧しくても勉強できる要素と、単純に金がある側が有利になる要素とのバランスは、どう変わるだろう?

30代日本人男性兼業個人投資家。日々勉強中です。
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