ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』73 ティッカーテープを読むことの価値

73 ティッカーテープを読むことの価値

 テープは相場の取引を「生」で伝える唯一の情報源である。ティッカーテープによる相場の判断には、ある銘柄に何かが起こる「とき」と、それが起こったときの「量」と、その銘柄の動きと相場全体、もしくは関連銘柄との「比較」という問題が関わってくる。

 すでに一度話題に出ましたが、テープリーディングというのは、今で言えば、歩み値だけをずっと見ているようなもの、と思ってよいと思います。

 どの銘柄が最初に動き出すか、どの程度活発に動くかが分かるのだ。ほかの銘柄と比較してどの程度強いか、あるいは弱いか。株価の表やチャートを使っていたら、推測するしかないことばかりだ。テープの読み方を心得ている人は、チャートに頼っている人のはるか先を行っているといえるだろう。

 当時は当然コンピュータがなかったので、リアルタイムのチャートなどはなかったはずで、ここでのチャートは、おそらく日足以上の時間間隔のものを指していると思われます。

 現在、出来高まで含んだ分足あるいはティックごとの短時間チャートを表示しているようなトレーダーは、テープリーディング相当以上の情報を得ていると言えそうです。

 デイトレーダーでなくても役に立つのは、他の銘柄と比較せよ、という部分でしょうか。当たり前と言えば当たり前ですが。

 ティッカーテープを見ていれば、売買注文を最も有利な形で出すことができる。企業分析から得た投資の見解をより強固なものにしたり、疑問を投げかけたりするのにも役立つ。調ベるベき銘柄のヒントを与えてくれることもある。基本的には短期投資向けの手法という第一印象があるが、ティッカーテープをきっかけとして、6カ月以上先の利益がもたらされることもよくある。

 これも類似の箇所はあったと思いますが、投資においては短期が長期を兼ねることはあっても、長期が短期を兼ねることはない、という話。

 私は、いくつかの理由で、デイトレ以下の時間間隔の投資には、意識してコミットしないようにしていますが、一時、中長期投資の補助と割り切って勉強していたことはあります。それ自体の利益はわずかでしたが、役に立っているとは思います。

 チャートを後から見ている時でも「ああこの部分では、板ではこんな風にガガッと動いて、歩み値だとドドドって感じだったんだろうなー」とか、脳内補完できることが結構あるからです。アニメーションなので言葉では説明できないですが。

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