ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』21 良い投資家、または投資アドバイザーの条件

21 良い投資家、または投資アドバイザーの条件

 よく練られた投機には、徹底した監視を行う必要があるのだが、人々にはそれをする気がないか、できないかのどちらかだ。
 (中略)自分で能力を身につけるか、公正で有能なエキスパートの指導を仰ぐしかない。
 エキスパートの援助は友人から得られるかもしれないし、プロを雇うことになるかもしれない。だが、金を払えば誰でも受けられるというおおざっばなレベルでは、けっしてないだろう。

 前も同様の話はありましたが、現代の、とりわけ個人投資家にとって、情報源(単に耳より情報という意味ではなくもっと広義の)は、重要かつ喫緊の問題です。

 質が低いか悪意があるかその両方である情報があふれており、最初に変なのを選んでしまうと、投資家として、最悪の場合人間としても、一生を棒に振りかねないからです。

 大きな成功により一時的にちやほやされる人物からも、指導はなかなか受けられないと思う。たとえ、ごくわずかなチャンスに恵まれたとしても、まず一般投資家の役には立たない。本当に実力のある投機家やマネージャーの成功は、使った資金の額に大きく比例するからだ。指導を仰ごうとする取るに足りない顧客の提供する金銭的報酬ぐらいは、彼らの成功で十分に稼げるのだ。

 このあたりは『11 金融に関する良い情報、悪い情報』を再読のこと。では、実際どんな人ならアドバイザーとしてふさわしいかというと……。

 倫理的な規範と100%の実直さを持ち合わせていることは、言うまでもなく第一条件である。才覚が必要なこともすでに述べた。柔軟性も必要だ――ひとつのアイデアに執着し、ときが味方すれば人に先んじるが、事態が変われば手も足も出ない、という人物ではだめである。自信過剰は致命的なので、リスクを十分に認識できる者でなくてはならない。

 ハードル1個目からタカ過ぎィ!

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