タカタ株と『瓶の妖鬼』

 7312 タカタで思い出した、というか倒産株を見る度に連想する話がある。『ジキル博士とハイド氏』が超有名なロバート・ルイス・スティーヴンソンの『瓶の妖鬼』である。

 悪魔が入っている茶色い小瓶がある。悪魔が叶えてくれそうな願いなら、何でも叶えてくれる。

 不老不死とか神になりたいとかは流石に無理でも、金とか権力とか恋愛とか一時の健康とか、ほぼなんでもあり。ただし、これを持ったまま死ぬと地獄行きとなり、永遠の責め苦が待っている。

 ポイントは入手する方法と手放す方法で、次の持ち主が、メリットとデメリットをちゃんと理解し納得した上で、前の持ち主から買わなければならない。しかも、前の持ち主が買った時の値段より安い値段で。

 つまり、持ち主以外が単に拾ったり盗んだり強奪したりしても、願いは叶わない。持ち主が単に捨てるとかしても、いつの間にか戻ってくる。冗談のふりをして騙すとかも不可。

 0円で売ることは不可能だから、1円では誰も買わないのは自明だ。よって、2円で買う人が誰もいないのも明白だ。だから、3円で買う人がいないのも明らかだ。従って、4円では誰も買わないのも誰だってわかる。つまり5円では……あれ?

 そうなのだ。論理的には、いくらだって買えるはずも売れるはずもないのだ。しかし、このような小瓶が実在すれば、私なら10円ぐらいまでなら喜んで買うだろうと思う。

 自分より下の値段で買う非論理的な人間が、ひとりでもいれば自分は助かるからだ。そう思えさえすれば論理的な(はずの)人間でも買えてしまう。実際には世界に非論理的な人間が誰もいなくてもである。

 相手が自分より馬鹿だと思う過程がフィードバックループすることによって、ひとりひとりは賢くても、全員が大馬鹿のように行動してしまうという点で、

 の話にも共通するところがある。

 1円まで落ちていく倒産株を使ったマネーゲームに参加するなら、こういう過程が起きているのだと意識しておく必要はあるだろう。

 ……といっても最近のスカイマークなど、実際に1円まで落ちないようなこともあるみたいだが。

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