ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』序論

 上記エントリですでに書評しましたが、素晴らしい本なので、実際に抜き書き集というか読書ノートを作ってみたいと思います。基本的にトピックごとに1エントリで少しずつ。もちろんまるごと飛ばす場合もあります。

 今回は序論ですが、いきなりすごいです。以下の3文だけで、並の良書一冊分以上の価値があると思います。

序論

 使う以上のお金を稼ぐことができる人は、必然的に投資家になる。当事者がそれを望んでいるかどうか、または意識的に投資を行っているかは問題ではない。たとえどんな形であれ、いまある購買力を将来のために蓄えておくことを投資と呼ぶのだ。

 いきなりズシンと来ます。「いえ私は全部タンス預金です」という人も、それは日本円全力ロングに他ならないわけです。資本主義社会に生きている限り、投資からは逃れられず、立ち向かって生き残るしかないということです。

 あらゆる角度から問題を研究し、行動を開始する前にリスクや目的、可能性を正しく把握できる人は、目標の半分以上をすでに達成しているといえる。

 投資は運の要素が大きいとはいえ「これだけ努力して準備して研究してりゃそりゃ勝つわな」という人もいますよね。逆に考えれば、それだけやってもやっと半分ということでもありますが。

 初心者には分散が必要なのだ。その一方、本当の巨富は集中投資から生まれる。経験が豊富であればあるほど、リスクを負う力があればあるほど、そして自分自身のコースをデッサンする能力が高ければ高いほど、分散投資の必要は小さくなるのである。

 巨富とか言われると「わかる」と言いにくいですが、初心者の頃に現に分散投資して、結果的に分散投資していてよかったという経験と、初心者じゃなくなってきたかなと思った頃に、現に集中投資して、結果的に集中投資していてよかったという経験は、実際あります。

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