「あなたの売ったそこが底」

 相場における「自分が売ったところが底」あるいは「自分が買ったところが天井」というのは、単なるマーフィーの法則ではなく、それ以上のものである。

 たまたまそうなるわけではなく、自分(と同じ状況にある人たち)自身が、その底や天井を作るのだ。だから、その状況に陥ることを防ぐには、二次思考をして自分自身に先んじるしかない。

 結果から逆算して考えてみよう。たとえば、下落トレンドにあるとして、「自分の売ったところが底ではない」ことになるのは、どのような時だろうか。売りが買いを上回っている中で「売る自分より後に、もっと多くの売る他人がいる」ということだ。原則的にそれしかありえない。

 自分がこの多くの他人に先んずれば、売ったところが底でなくなり、自分もそこに混ざってしまえば自分が売ったところが底になってしまう。

 つまり「自分が売ったところが底」あるいは「自分が買ったところが天井」を避けるには、自分自身より早めに投げ、自分自身より早めに買うしかない。これはもちろん自己言及で矛盾しているが、この自己矛盾こそ相場の本質であるから仕方ない。

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