『アニマルスピリット』★★★

アニマルスピリット

 ジョージ・A・アカロフ著、ロバート・シラー著。過去書評。最近貨幣錯覚に興味がある関係で、思い出した本。

 労働者の額面賃金に強い下方硬直性がある(その理由は直感的に明らかだろう)一方で、インフレ率と賃金の伸びを比較して考える労働者は少ない。

 そのためインフレ率が低すぎると、純粋に需給で決まるよりも賃金が高めで硬直することになり、失業率が上がる。逆にインフレ率がある程度高いと、純粋に需給で決まる賃金に近づき、失業率は自然失業率に近づく。

 ……というような内容があったと思う。失業率という非常に重大なものが貨幣錯覚に大きく影響されているのならば、他にもどれだけの影響があるのだろう。もし人間がまったく貨幣錯覚を起こさないとしたら、どんな世界になるのだろう。

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